The LensTRUE Systemの紹介

建物などの垂線が不本意に傾むいたり、画像のパースペクティブ(遠近感の構図)にディストーション(歪み)が生じたりすることは、写真撮影における古くからの問題です。今日に至るまで、この問題に対処する3つの方法がありましたが、いずれの方法でもそれぞれ不都合な事柄が付帯します。不都合な事柄を伴うことなく、ディストーション補正を全自動で処理するLensTRUE Systemが初めて出現しました。これにより時間が節約でき、完璧な補正が約束されます。次の写真例は、オリジナルの撮影画像とLensTRUEで補正後との比較です。

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LensTRUE meterをカメラの三脚用ネジ穴へ装着し、撮影時のカメラの傾き角度をデータ化します。Jobo独自のソフトウエアで、傾斜ラインやその他のディストーションがワンクリックで補正されて、パースペクティブ補正を自動で処理します。プロポーションは常に正しく表現されます。

 

ここで、LensTRUE Systemの出現以前にはどのような解決方法があったのかについて触れてみます。

テクニカルビューカメラ

蛇腹を備えたアオリ機構をもつテクニカルビューカメラはディストーションを防げ、そしてデジタル時代においても明らかに高品質クラスのカメラです。そのような機能の揃ったカメラシステムはそれなりの値段になり、例えばLinhofのテクニカルビューカメラに、50又は80メガピクセルのPhaseOneのデジタルバックと、3〜4本のRodenstockレンズを揃えた場合は約5,000 ユーロの出費になります。

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35mmフルサイズデジタル一眼レフカメラ

多くのプロカメラマンは経済的理由により、殆どの仕事で35mmフルサイズカメラを使用しています。最上級の写真撮影には中判デジタルカメラが欠かせません。これらのカメラはレンズ面と撮像面が固定されているため、アオリ機能がありません。大きな弱点はセンサー撮像面をテクニカルカメラのように動かせないことです。被写体に向けたカメラの角度をまっすぐにせずに、傾いた状態で撮影すると撮影画像のパースペクティブは歪みます。写真に写った被写体のプロポーションは歪み、自然な状態に再現できません。俯瞰角や仰角を伴う撮影が日常的におこります。レンズ自身が内包する特質が起因して、歪曲収差の「たる型」や「糸巻型」の現象も現れます。

シフトレンズ

シフトレンズは商品撮影や建築撮影にふさわしいレンズですが、幾つかの問題点があります。焦点距離によりますが、シフトレンズは8度または11度までしか補正ができません。シフトレンズを使う場合には三脚が欠かせません。ユーザーはオートフォーカスを使えませんし、ズーム機能がなくそのうえ高価です。単焦点の3種類のシフトレンズのセット価格は約5,000ユーロになり、三脚の上で正確に調整する必要があります。そのためシフトレンズは殆んどの場合、静物写真の撮影に使われます。建築撮影はシフトレンズの領域として知られています。シフトレンズの弱点はまだあり、イメージサークルの中央部分が動いてしまうことにより自動露出が不正確になります。シフト量を上げると周辺ボケや大きなケラレが発生します。満足のいく結果を出すためには、最大で10度未満にシフト量におさえなければいけません。

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シフトレンズとLensTRUE Systemの比較の詳細についてはこちらをご覧ください。

フォトレタッチソフト

テクニカルビューカメラやシフトレンズの他に、今日ではポピュラーとなっているPhotoshop®、 Lightroom®、DXO®などのレタッチソフトや現像ソフトがあります。しかし、これらのソフトを使う場合には、撮影画像の中に建物や窓などの縁部分のラインが写り込んでいることが必要です。これらソフトには3つの弱点があります。補正に時間がかかる点。画像の左端と右端の両方の垂線を垂直に修正することが難しい点。3点目として、画像の多くの部分にプロポーションの歪みが残ることです。補正は視覚に頼るだけになり、多くの時間を要するため時間効率を考慮すると高価な出費になります。さらに、撮影画像内に垂線がない場合は補正が困難です。LensTURE とレタッチソフトの比較の詳細についてはこちらをご覧ください。

LensTRUEによる完璧な補正

LensTRUE Systemは、マウスをワンクリックするだけで画像パースペクティブの補正を可能にする新しい基準を確立しました。一括でレンズディストーションとパースペクティブディストーションを同時に補正します。

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LensTRUE Systemはシフトレンズと同じ精度をもっていますが、利点として35°まで傾斜角の補正が可能です。撮影に大きな差がうまれ、より実用的に優れたものになります。オートフォーカスや自動露出も使用できます。更にズームレンズも使用でき、三脚が不要で手持ちでの撮影が可能です。

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Joboが計測を完了した各レンズは、LensTRUE Systemによりシフトレンズとして使えます。シフトレンズを使用する場合の微調節にかかる時間や、三脚の位置決め作業はもはや必要ありません。フォトレタッチソフトを用いたマニュアル操作での補正と比較すると多くの時間を節約できます。LensTRUE Systemは常に幾何学計算方式による完璧な補正を行います。LensTRUE Systemによるプロポーション補正は新しい基準となります。従来の方法と比較するとより優れた成果を得られます。それはたったワンクリックするだけです。バッチ処理で全ての工程を自動的に行うことができます。LensTUREの操作についての詳細はこちらをご覧ください。

パースペクティブの仮想的な変更

パースペクティブ補正の外に、LensTUREはテクニカルビューカメラの後スタンダードのシフトアオリ効果を仮想的に行えます。この機能であたかもテクニカルビューカメラを使っているかのような、撮影画像のパースペクティブにアオリ効果を行えます。

どのようなことが行われているのか、詳細についてはこちらをご覧ください。

いくつもの利点

  • 蛇腹を備えたアオリ機構がない、普通のカメラを使用することができる。
  • シフトレンズやテクニカルビューカメラの購入より経費を節約できる。3本のシフトレンズの価格の合計は約5,000ユーロ。LensTURE Systemはたったの990ユーロで、最高級レンズの使用が可能。
  • 三脚なしの手持ち撮影が可能で作業時間を節約。更にオートフォーカスや自動露出も使用可能。補正工程で時間がかかるマニュアル操作での垂直線の修正が必要なく、時間が節約できます。これらの時間節約だけでLensTRUE Systemへの投資は価値がある。
  • オートフォーカスや手振れ防止機能を備えた普通のレンズや口径の大きなレンズの使用が可能。シフトレンズで発生する周辺ボケやケラレ現象は過去のものになった。
  • ズームレンズの使用が可能。
  • シフトレンズは最大で11度までの補正が可能。LensTRUE Systemは仰角/俯瞰角を35度まで補正が可能。さらに大きな傾斜角度でも使用可能であるが、画質の劣化を伴う。
  • LensTURE Systemは後スタンダードに準ずる。
  • 撮り込み画像の水平方向の傾きは自動的に正しく補正される。
  • 自動補正により多くの時間を節約可能。
  • 画像周辺のプロポーションも補正される。円は円として四角は四角として再現され、これは画像のすべての部分に適用される。
  • 時間のかかるマウスでのドラッグ操作が不要。視覚に頼る補正は不要。残存する歪みがなくなる。
  • 撮影時に画像内への傾斜ラインの写り込み回避が不要。
  • 単一焦点距離だけの高価格なシフトレンズの使用が不要。